皮膚科の病気について
帯状疱疹では、みずぼうそう後に神経に潜んでいた水痘帯状疱疹ウイルスが、何年も後に、神経を伝って出てきて、皮膚に赤みと水ぶくれを作ります。みずぼうそうにかかったことが無い人には、みずぼうそうとして感染してしまいます。
臨床症状やギムザ染色や抗原検査を行って診断を行い、抗ウイルス薬内服や外用を行って加療をしていきます。水ぶくれがすべてかさぶたになるまでは、安静加療をおすすめします。
帯状疱疹は、皮膚症状だけではなく、様々な合併症を引き起こすことでも知られています。例えば、頭頸部に出れば顔面神経麻痺や角膜障害や難聴など、また、ウイルスが全身にめぐると脳炎や髄膜炎や全身が水ぶくれだらけの状態(汎発性帯状疱疹)になり、入院での点滴加療が必要になる場合もあります。そのため、合併症やお体の状態によっては、他科や総合病院へご紹介させていただく場合もございます。
水ぶくれが乾いてかさぶたになって帯状疱疹が治癒した後も、潰瘍や皮膚壊死が残る場合や、痛みが長く残ることが多々あります(帯状疱疹後神経痛)。帯状疱疹後神経痛に対しては、鎮痛薬内服での加療を行います。
足爪白癬
足爪白癬に対して、下記いずれかの内服加療あるいは外用加療を行います。
○テルビナフィン内服
計24週間行います。肝障害等の副作用がでるおそれがありますので2週間毎に通院いただき、適時、採血チェックを行いながら治療します。
終了時に検鏡し、陰性であれば以後は4-8週毎に再診して経過観察、その後は、必要に応じて検鏡します。
○ネイリン内服
12週間行います。肝障害等の副作用がでるおそれがありますので2週間毎に通院いただき、適時、採血チェックを行いながら治療します。終了時に検鏡し、陰性であれば以後は4-8週毎に再診して経過観察、その後は、必要に応じて検鏡します。
内服終了後に検鏡で陰性が確認できない場合には、外用開始したり、しばらく期間をおいてから再度内服加療を行ったりします。
外用療法
肝機能障害がある方や内服薬の飲み合わせによっては、内服加療が選択できない場合もございます。その場合には、外用療法で加療を行います。
いずれにしても、爪水虫は、治癒までに長期かかり、また一旦治癒してもその後再発することも多々ありますので、根気強く治療を続けて行きましょう。
にきび(顔面尋常性ざ瘡)
にきびの状態をみて、軽症・中等症・重症それぞれの症状に応じた治療を行います。
基本的に軽症~中等症ではベピオ、ディフェリン、エピデュオ、デュアック、抗生剤外用などでの加療が主体となります。中等症~重症の場合には、ビブラマイシン、ミノマイシン、ファロペネム、クラリスロマイシンなどの抗生剤内服加療を症状に応じて、2~12週間行います。必要に応じて、採血で肝腎機能チェックも行います。
ニキビが増悪する要因としては、ホルモンバランスの影響、毛穴や皮膚常在菌などの皮膚表面の状態、睡眠や栄養などの体の内の状態の影響などがあげられます。
ストレスをため込まないことや食事、栄養バランスと併せて、お肌ケアも非常に大切です。また、妊娠・授乳中には、使用できる外用薬や内服薬が限られますので、妊娠中・授乳中にも安心して使用できるケア製品の販売も取りそろえております。購入希望の場合には、お気軽にご相談ください。
にきびケア製品
にきびケア製品の販売もあります(保険適応外で自費になります)。
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DRX AZAクリア(アゼライン酸)
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セルニュープラス DR GAローション
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セルニュープラス ピーリングソープ など
いぼ(尋常性疣贅、脂漏性角化症、skin tagなど)
いわゆる「いぼ」にも色々な種類がありますが、代表的ないぼは、尋常性疣贅や脂漏性角化症です。
尋常性疣贅は、「ウイルス性のいぼ」で、自身や他人への感染性のあるいぼです。
脂漏性角化症は、「老化に伴ういぼ」です。
治療として液体窒素凍結療法を行います。液体窒素凍結療法とは、約マイナス196度の液体窒素をいぼにあてる治療です。1回のみではいぼがとれることはほぼありませんので、2-4週ごとに通院が必要になります。また、増大傾向がつよいもの、難治性のものについては、1週間に1回通院いただく場合もございます。
液体窒素をあてた後には、赤みや水ぶくれがでたり、痕や傷やシミが残ります。また、一度とれたいぼが再発することもあるため、治療後も自宅で観察を続けていただき、再燃時には受診いただいて治療を再開する必要があります。
みずいぼ(伝染性軟属腫)
いわゆる「みずいぼ」は、小児に多く発生し、特に初夏~夏のプールの時期に多くみられます。ウイルス性のいぼですので、自身や他者へ感染します。皮膚が乾燥したり荒れた状態では多発し、掻き壊すことでいぼ周辺へ伝染して増えます。
治療としては、水いぼ用ピンセットでつまんで除去します。
小児の方では、ご希望に応じて、痛みを緩和するために処置前に麻酔薬のテープ剤を貼って、時間を置いてから処置することもあります。
麻酔テープ薬を用いての処置については、医師の診察を経た上で行います。対応できる曜日や時間帯が決まっておりますので、受診された際にご相談ください。
皮膚腫瘍(ホクロ、粉瘤、そのた皮膚良性腫瘍、皮膚悪性腫瘍など)
皮膚腫瘍については、必要に応じてダーモスコピーで表面の状態を拡大して観察します。
必要に応じて当院にて手術を行います。
多汗症(手掌、足底、腋窩など)
日常生活に支障を来す状態の方には、部位と程度に応じて加療を行います。
治療のスタートとして、保険診療によるエクロックゲルやラピフォートの処方をおこないます。必要に応じてみょうばん入り制汗剤(D-barやD-Tube)を使用することが多いです。
それでも効果が得られなくて、日常生活に重大な支障をきたす重症度の高い方については、保険診療にてエクロックゲル(原発性腋窩多汗症治療剤)やプロバンテリン内服などを行うこともあります。
・塩化アルミニウム外用液は製造中止となり、販売終了となりました。[2022年7月1日追記]
円形脱毛症
世間一般では、頭部の円形脱毛症はストレスなどが原因と言われることが多いです。
しかし、内科的な病気の一つの症状として頭部の円形脱毛症が生じる場合もあります。例えば、膠原 病や梅毒や甲状腺機能異常など病気が隠れていることがありますので、採血でチェックを行います。
治療としては、カルプロニウム外用、ケナコルト注射なども行います。
AGA(男性型脱毛症 androgenic alopecia)
いわゆる男性型脱毛症(AGA)の治療は、自費診療になります。
当クリニックでの取り扱っている薬剤は以下になります。
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フィナステリド
(プロペシアの後発品)
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デュタステリド
(ザガーロの後発品)
医師の診察を受け、効能や副作用などの説明をしっかりと聞いていただいたうえで、ご希望された方にご購入いただいております。
*処方には別途、初診料/再診料が発生します
